研修会報告

宮城県会員の研修会のご報告

開催日時

  • 2024年6月15日(土)13:00~16:00

開催形式

  • 現地開催

会場

  • 仙台国際センター 展示棟会議室3A3B

参加者数

  • 87名

テーマ

  • 「手術看護の基礎を学ぶ」

目標

  1. 手術看護の基礎を理解する
  2. 体位固定時の神経損傷と皮膚損傷について理解し予防できる

内容

  1. 講演13:00~16:00
    「 手術看護の基礎のキソ 」
    東北大学病院 高度救命救急センター 副看護師長 手術認定看護師 軍司 希 先生
    「 神経&皮膚損傷を予防する体位固定 」
    みやぎ県南中核病院 手術認定看護師 及川 美紀 先生

今回は、現地開催のみとしスイーツセミナー形式で行いました。
「手術看護の基礎のキソ」では、手術看護概論として手術看護の定義や器械出し看護師と外回り看護師の役割、手術器械のネーミングや使い分け、手術で使う針と糸の違いと使い分けなど、「神経&皮膚損傷を予防する体位固定」では、体位による生体への影響から個別的なアセスメント、各体位の褥瘡好発部位や神経障害などを講演して頂きました。基礎知識の確認や根拠を知ることで、今後の手術看護実践に役立つ機会となりました。
参加対象は1~2年目の手術室看護師や手術看護に興味のある方としていたところ、講演中にとったアンケートからはそれ以上の経験者が多かったのですが、研修後アンケート結果からは新人教育に活用できる、基礎の基礎をかみ砕いた形で学べたことで実践に活かせるなどの意見も頂きました。
今後取り上げて欲しいテーマについても多数のご意見を頂きましたので頂戴した意見をもとに、今後も皆様にとって有意義な研修会の企画を目指して参ります。

  


会場でお答えできなかった質問の回答

  • Dタッチとは何ですか?コントロールリリースとの違いは何ですか?

    デタッチ、コントロールリリースいずれも、針に付いた糸を引っ張ると、針から糸が外れて取れる特徴のものを指します。メーカーによってその特徴を持つ糸針の呼び名が異なります。

  • 特例の手術で2種類の対極板を貼らなければならなくなったことがありました。どのように対応していますか?

    特例の手術とのことで詳細が分かりませんが、電気メスを使用する本数や電気メス本体の台数により2枚以上貼らなければならない場合があります。メーカーによっては対極板にもサイズがあり、目安の体重や電気メスの出力制限があります。メーカーの取り扱い説明書に従い、適切なサイズを選択、貼付してください。貼付場所がないからと対極板を小さく切るのは禁忌です。貼付が困難な場合は、エネルギーディバイスの選択を執刀医と相談しましょう。

  • 「イソジン焼け」ができてしまったとき、手術終了後すぐにイソジンRをふき取りますが、ほかにできるケアはありますか?また、どれくらいで消失しますか?

    ポピドンヨード(イソジンR)が湿潤状態で30分以上にわたって接触すると、正常皮膚であっても化学熱傷が生じるとされていますので、ポピドンヨードの液だまりを長時間停滞させないことが重要です。消毒時ポピドンヨードをたくさん使いすぎないこと、ポピドンヨードがたれ落ちる部分(体とベッドの間)にタオルなどを挟んで吸わせ、ドレーピング前に外すなどの工夫で液だまりを作らせないこと、ポピドンヨードをしっかり乾燥させること、そして術後にはしっかり清拭しましょう。症状が消失する時間は「イソジン焼け」の程度にもよると思います。皮膚科の医師に聞いてみるとよいでしょう。

  • ソフトナースRは全ての症例で使用したほうが良いですか?当院では腹臥位の手術のみ使用しています。

    施設により所有数に限りがあると思いますので、一概には言えません。除圧物品の特徴を理解し、適切に使用することが重要です。褥瘡ができやすい体位や患者に優先的に使用するとよいでしょう。

  • 体圧分散について。除圧物品の積み方ですが、分散力は変わりますか?


    面で支えることが体圧分散には重要です。①のように重ねたほうが1枚の除圧物品が体に接触するので、面になり体圧は分散されます。しかし、ベッド側の除圧物品と患者側の除圧物品の間に隙間があると固定が不安定になることもあるので、体のラインに沿うように隙間を少なくすることがポイントです。

  • 腹臥位手術の際、枕による圧迫や浮腫のよって挿管チューブの固定テープをはがした時に表皮剥離を起こしてしまうことがかなり多かったので、表皮剥離を起こさない工夫があればお聞きしたいです。

    枕のサイズや硬さなどは大丈夫ですか?顔のサイズと枕のサイズが合っていない可能性もあります。汗や唾液などによってテープが湿った状態が続くと、皮膚が浸軟しスキントラブルとなる可能性が高くなります。定期的に水分を拭く、テープ固定前に皮膚保護剤を塗る、防水できるテープを重ねて使用するなどの対策が必要です。頭の重みでテープがより強く接着するので、リムーバーを使用したり、テープを剥がす角度も注意すると表皮剥離が生じにくいかと思います。


宮城県会員の研修会アンケート集計結果

  1. 今回の研修で参考になった項目はありましたか?(複数回答可)

    31件の回答


  2. 参考になった項目のどのようなところが良かったか教えて下さい

    31件の回答

    • 名前の由来や仕組み、実際に使用する場面がわかりやすかったです
    • 2年目になってこの講義を受けて、原点回帰できた気がする。今まで使っていた器械や糸針の知らなかった部分が見えて面白かった。体位作成で悩むことが多かったので、患者さんに合わせてどのような部分を意識しなければならないか考える引き出しが増えた。
    • 外回り看護師をしてる中で、手術体位作成に苦戦する場面あったため、この講義を生かして看護実践していきたい。
    • 分かりやすかった
    • 基礎知識の確認になった
    • 器械の用途、神経麻痺予防のための工夫
    • 糸の詳細や表記の見方など参考になりました。
    • 復習になった
    • 神経障害や褥瘡を防ぐための工夫
    • 電メスの違いがわかった
    • すぐに活用できるような内容や、新人でもわかりやすい内容だったので良かったです。
    • 基本を学ぶことがあまりなかったので、基礎をしれてよかった
    • 針糸は種類が多いので改めて整理する機会になって良かった
    • 働いている病院では、特殊体位による手術が多いため参考になった。
    • 針糸の種類の違いや体位固定の工夫、注意点について学び直すことができた。今後の手術に活かしたい
    • 正直針糸の違いや使い分けがよく分からなかったので、今回聞けてよかったです。体位作成も参加にさせていただきます。
    • 外回りを行う際体位固定の時にどんなところに気をつけなきゃ行けないのか学べた
    • 体位固定の具体的な方法
    • 実際に臨床で使う内容が多く参考になった。
    • 糸針や体位についてなんとなくで覚えていたところがあったので学び直すことができて良かったです
    • 糸の種類、外装について
    • 針と糸の種類を学べて良かった
    • 今まで曖昧だった知識に根拠を持つことができた。
    • 糸針、電気メスについて詳しく知ることができた。
    • 糸針の組織による使い分けや対極板の正しい使い方など。
    • 各項目で、自分の看護の根拠をわかっていたつもりだが、改めて言葉と文書で見聞きしたことで、相手(新人)にも伝えられるしっかりしたものになったから
    • 何気なく横に対極板貼ったら、"この体位にはここにこのソフトナースをいれる"と深くずに体位作成していたが、これからは根拠づけて患者を守るために行動できるのでよかった。
    • 手術以外の、普段の処置やケアでも参考になる項目が多く、とても勉強になった
    • 体位がわかりやすかった
    • 神経障害が起きやすい体位がわかりやすかった
    • ベルト固定をきつくしてしまいたくなるが、神経障害に注意し落ちない程度に固定することも大切。電気メス使用時熱傷予防で点での接触をしないようにすること。

  3. 研修の中にあったら良かった項目があればお書きください

    6件の回答

    • すぐに使える知識を得られたこと
    • エネルギーデバイス
    • 過去にあった内容を踏まえて話して下さったのでイメージが湧いた。
    • 術前訪問や術後訪問など患者とどのように関わっていけば良いのかなどあれば嬉しいと感じました。
    • 麻酔薬や循環作動薬について
    • 申し送り

  4. 本日の研修内容は今後の手術看護に活用できますか

    31件の回答


  5. 上記設問の項目を選択した理由を教えて下さい

    31件の回答

    • 分かりやすかった 2
    • 実戦に活かすことができる内容だったからです
    • 自分の職場でも、使い古したソフトナースを使用していたり、職場全体で気をつけることかできるポイントがわかったため。
    • 手術室看護師2年目だが、知識を再確認することができ体位作成や手術室での看護に生かしていきたいと感じたから。
    • 基本であり分かりやすかった。
    • 管理業務としてまあまあ活用できると思うから
    • 根拠を元に工夫していくポイントがわかったから
    • まだ、手術室に異動して日が浅いので、本当に基礎的な事を知ることが出来て良かったです。麻酔下での体温調整の重要性も詳しく知れて良かったです。
    • 自身の病院でも参考にしたい
    • 外回りに向けて必要な知識を学べた
    • 分からなかったことがわかるようのなったから。
    • 基本は大事だから
    • 針糸のことがよくわかりました
    • 患者の安楽安全に目を向けて看護していくための知識を身につけることができた。
    • 特に体位作成が実践できるかと思います。
    • 体位固定や針糸について学ぶことができ,基礎的な知識の振り返りになったため
    • 具体的な説明が実践しやすそうだと思ったから
    • 基礎的な内容が多くわかりやすかった。
    • ヘガールとマチウの使い分けがわかった
    • 体位固定などすぐに使える知識があったため
    • 曖昧なところが明確になった
    • 手術看護により興味が湧いた。
    • 術中の体位作成時や行っていた看護について、根拠を持って実践することができると思った。
    • 基礎的な知識であり手術看護をする上でもっとも大切だと思う部分が沢山あったからです。
    • 基礎の基礎を噛み砕いた形で改めて学ぶことができたので、新人さんによりわかりやすく伝えていけると思う。
    • これからどんどん外回り業務が増えていくため、今日学んだことを活かして、神経障害や皮膚障害を予防しながら体位作成できると考えたため。
    • 実践に即した内容で、明日からすぐに使える知識が多いと思ったから
    • 糸のことや体位のことなど、自分が実施していることの確認ができた
    • どの手術でも活かせる内容だったから
    • 体位による身体への影響の観察や神経障害を予防した体位固定の実践につなげていけると思います。

  6. 今後開催してもらいたい研修についてお答えください
    • 麻酔・麻酔の種類 6
    • 麻酔導入時の看護師の役割
    • 区域麻酔介助の留意点
    • 2、3年目向けの研修
    • 3年目以降向け 1
    • 5年目あたりに向けた応用編
    • 中堅看護師研修
    • 診療科別手術の流れや注意点(器械だし、外回り)
    • 1.2年目対象の器械だし看護
    • 器械の渡し方や針糸の付け方など実践的な器械出し看護
    • 効率の良い器械だし
    • 出血時の対応など器械出しとしての知識
    • 術式と看護 2
    • 先輩看護師と新人看護師の倫理的ジレンマ
    • 術前術中術後患者さんとの関わり方
    • 器械の詳細や、針糸の使い分けの詳細
    • エネルギーディバイス 2
    • 術中体温管理
    • 多職種連携
    • 患者情報収集後のアセスメント
    • 新人や異動者の教育
    • ドレッシング材
    • 体位固定
    • 手術に関すること
    • 麻酔、モニターの見方
    • 麻酔器モニター
    • 術式の学習の仕方
    • 非会員でもお手頃会費の研修

  7. その他、お気づきの点などございましたらご自由にお書きください

    1件の回答

    • 体位の講義では、根拠を説明してくれたりしたいてよかった。資料にも説明している内容があるとよかった



頂きましたご意見に関しては、今後の研修会企画の参考とさせていただきます。アンケートにご協力を頂きました皆様、ありがとうございました。

ページトップ